DICV
DICVとは、Daimler India Commercial Vehicles PVT. Ltd.の略で、インド南部、タミルナドゥ州チェンナイ市オラガダムにあるダイムラーAG100%出資の製造・販売子会社のことである。生産しているブランドは、自社向け「バーラト・ベンツ (BharatBenz) 」、三菱ふそう向け「FUSO」、Daimler 向け「メルセデス・ベンツ(バス)」である。インドでの商用車需要の高まりを予測(2018年までに年間50万台以上[1])して、大規模な投資(約880億円[1])を行い、来る需要に備えた。2012年7月のSOPから、2014年12月末までに累計生産台数20,000台を達成した。2014年1月31日に、累計販売台数が7,500台となったことを発表し、2015年6月4日には累計販売台数が22,325台であることを発表[2]したため、2014年2月から2015年5月までの16ヶ月で14,825台を販売したことになる。これを年間に換算すると約11,200台となる。2015年11月26日に、累計販売台数が30,000台を超えたことと、2015年3Q実績が3,600台であることを発表[3]した。2015年累計では、10,200台とない、年間に換算すると、13,600台ペースである。2015年6月現在、インド国内販売台数統計上には、ブランド名が表示されていないため、年間の販売台数は確認できないものの、統計の「その他」販売台数に含まれていると仮定すると、当初目標の年間36,000台や最大70,000台の販売は達成出来ていないと思われる。そのため、ダイムラーは当初の目標であったインド国内市場ではなく、輸出ハブ[2]として同工場を活用することを発表した。また、2013年、2014年のインド国内商用車(中大型)総販売台数は、約21万台であり、前述の2010年に予測[1]した、2018年までに2倍以上の年間50万台以上の達成は厳しい状況である。ただし、2015年のYTDでは、約27%の伸びを記録しており、通年に換算すると、約28万台となる。ダイムラーの発表によれば[4]、2015年2Q実績は前年同期の14%増の3,000台であり、通年では14,000台。2016年の販売台数は13,100台。[5] 2017年の販売台数は16,717台である。[6]
収益
ダイムラーはDICVの財務状況の詳細を公表していないが、JETROの調査によれば[7]、2012年は2,300万ユーロ、2013年は1億4,600万ユーロの赤字になっている。
コンセプト
HDT(25t-49t):Mercedes-Benz AXORベース
- 生産能力:24,000台/年
- 量産開始:2012年第2四半期
- バリエーション:6
LDT/MDT(7.5t-16t):FUSO Productsベース (LDTキャブ+MDTシャシー)
- 生産能力:12,000台/年
- 量産開始:2012/10/1
- バリエーション:6
投資規模
- 土地(1.6K㎡)・建物:81.5M€
- 生産設備:77.7M€
- 間接設備:36.8M€
- 企画等:32.5M€
- 立上・教育その他:11.0M€
- 直接投資合計:239.5M€(約335億円/1ユーロ140円換算)
- 部品調達関連費用(PTI)含む総合計:290.6M€(約407億円/1ユーロ140円換算)
従業員規模
- 直接員:1,200名
- 間接員:360名
- 事務員:740名
- 合計:2,300名
敷地図
工場レイアウト
出典
- ^ 1.0 1.1 1.2 日経ビジネスオンライン 2010年6月24日版 インドに賭ける独ダイムラーのトラック事業
- ^ 2.0 2.1 Daimler Trucks to make India its export hub: Marc Llistosella
- ^ Daimler sells more than 30,000 BharatBenz trucks
- ^ Interim Report Q2 2015
- ^ [1] Daimler Annual Financial Report 2016
- ^ [2] Daimler India registers 28% growth in 2017 with 16717 units
- ^ ドイツ企業のインド戦略 2014年12月 日本貿易振興機構(ジェトロ) ブリュッセル事務所 海外調査部 欧州ロシアCIS課