設計変更
設計変更とは、機能や品質の改良、安全対策、法令の改正、作業性向上等を目的として、仕様の変更、工法や材質の変更を行うために部品等の設計図面、スペック等を変更することをいう。通常、略して"セッペン"又は"セツヘン"と呼称している。
設計変更に伴い当該部品等の生産を担当しているメーカーは設備、工法、材料等の変更が必要になり、それに伴い費用が発生する。商品力向上というメリットと費用発生というデメリットとの兼ね合いの考慮が必要である。この設計変更についての設計部門からの設計情報はEO(Engineering Order)を用いて所定の方法で伝達される。
設計変更は、初期の設計品質が低いことが原因の場合もあり、日産自動車では、2001年から推進しているV-3P(Value Up for Product, Process and Program Innovation)プログラムにより、設計変更頻度の60%~90%低減[1]を達成している。欧州のある商用車メーカーの2012年実績では、年間15,000件以上の設計変更が行われており、日産の事例を当てはめると、最大で1,500件まで削減出来ることになる。また、前述のメーカーの乗用車部門では、2009年の資料[2]によると、月間1,000件以上の設計変更と、7,000人の担当者が関与したとしている。また、1件当たり20,000€から50,000€のプロセスコストが掛かっており、15,000件とすると、トータルでは、3億€(405億円/135円換算)から7.5億€(1,012.5億円/135円換算)のプロセスコストとなる。
また、同資料[2]によると、北米のビッグスリーにおいては、年間400,000件の設計変更が、1件当たり平均50,000$のプロセスコストで処理されている。ビッグスリートータルでは、200億$(2兆5千億円/125円換算)のプロセスコストとなる。
出典
- ^ 日産自動車 ユーザ事例
- ^ 2.0 2.1 "Cross Company Engineering Change Management in global automotive supply chain" ProSTEP iViP Symposium 2009