機能安全
機能安全とは、安全機能や安全対策によって、許容できないリスクから免れるための技術の総称である。機能安全(functional safety)の「機能」とは、制御対象やコントローラを監視する安全装置の役割のことを指す。通常、安全装置にはコンピュータが使われ、コントローラに故障などが発生した場合は、このコンピュータが制御対象を停止したり、ユーザに警告を出したりする。安全装置によって実現されているこうした安全性のことを、「機能安全」と呼ぶ。機能安全とは、いわばコンピュータなどを使った安全装置による安全対策といえる。機能安全の例としてよく引用されるのは、鉄道の踏み切りである。踏み切りは、警報システムの機能によって鉄路を走る列車と鉄路に平面交差する道路を通る車両や人との衝突を防いでいる。なお、安全性そのものは、こうした電子的な安全装置の付加によって担保するのではなく、危険そのものの設計上の除去や機械構造的なフェールセーフ機構などによって担保するのが一般的である。これを「本質安全」と呼ぶ。本質安全の例でよく引用されるのは、鉄道と道路の立体交差である。これは機械構造的に鉄路を走る列車と道路を通る車両や人とが衝突する危険そのものを取り除いている。