後突頚部傷害保護試験
自動車の衝突事故における乗員傷害のうち、後面からの衝突が乗車中の事故形態の中で最も多く、その傷害のほとんどは頚部の傷害である。そこで、後面衝突を再現できる試験機を用い、衝突された際に発生する衝撃(速度変化、波形等)をダミーを乗せた運転席又は助手席用シートに与え、そのときの頚部が受ける衝撃をもとに、頚部保護性能の度合いを4段階で評価する。また、この試験は同一質量の自動車が停車中の自動車に時速約32km で衝突した際の衝撃(速度変化時速17.6km)を再現したものであり、この試験における評価と実際の後面衝突事故は、衝突速度が相違する場合、質量の相違する自動車に後面から衝突された場合や乗員の乗車姿勢・体格、座席の調整位置の相違により異なるので注意が必要である。なお、平成24年度からは、速度変化を時速20.0kmで実施している。